書籍の題名「テレビに映る中国の97%は嘘である」

書籍を手にとった時に、
どれだけTVがあざとく、視聴者を騙し、裏切り、
したたかに報道している、そんな暴露的な内容なんだろーな、
と読む前に自己分析をして読書開始。

読み進めると取材はどうやって、ウラを取って、
取材に持ち込み、現地に赴き、あの手この手で話を聞き出しと、
報道をするまでの話が進み、いくらたっても暴露が出てこない。

「アレレレ」と思いながら読み進めたのですが、
実は私たちが目にする報道では中々伝わってこない、
報道の奥に潜む詳細な経験談が書かれた、一冊なのです。

著者が言いたいのは暴露話!的なことではなく、
取材を重ねて、ウラを取って、綿密に取材をした内容でも、
TVではその3%位しか表現できないという事実。

時間的な制約で放送できないという事を、
「97%は嘘だぁ!」と伝えられないモドカシサを、
そんな逆説的な表現を使って、題名にしたんだな、
と思いながら読み進めることができました。

記者らしい、状況を推測しながら、
その先にある真実は何かという点を、
一つ一つ丁寧に説明している一冊です。

過去に中国で起きた取材を通してTVでは伝えられない取材の裏話を、
この書籍に全力投球している感がひしひしと伝わってきます。

書籍の文面の臨場感は、
実際の取材で起きたノンフィクションの話だから。
躍動感に溢れる文脈は、中国の裏表を知っている記者目線ならでは。

下手なサスペンスドラマを見るより、
絶叫ジェットコースタ級のあらすじです。

第一章 反日デモの最前線-石原慎太郎の妄想が生んだ悲劇
第二章 中国一の金持ち村-328メートルの高級ホテルから観た異様
第三章 「ワイロ」と「マオタイ」-マオタイ酒が象徴する中国社会
第四章 チベット族と漢族-仏画を描く青海省の村で
第五章 中国の臨時従業員-毒餃子事件の犯人が生まれた村で
第六章 中朝国境-脱北者収容所までの道

中国当局に21回拘束されたテレビ東京の一筋縄ではいなかい、
アゴ長の名物記者の目線で書かれた、10万部突破の1冊です。

ちなみに、このサイトでこの書籍をご紹介した所、
アゴ長の名物記者の著者から直接、ご連絡をいただきました!