上海でも見かける店舗ですが、ここ湖北省武漢が発祥の地です。
湖北省武漢名物と言えば!「热干面(rè gān miàn) 」がまず思い浮かぶのですが、高鉄の駅で旅人が行列をなして購入するみやげ品があるのです。
それはこの店舗で扱っている品物。店舗名は「周黑鸭(zhōu hēi yā)」と呼ばれ、日本のドーナッツ店舗で扱っていたキャラクター的なロゴを使っている店舗。名前に「鸭(yā)鴨」という名前が使われている点からもお分かりかも知れませんが、鴨食品を扱っている店舗です。
「卤制(lǔ zhì)」と呼ばれる調理法で調理した製品なのですが、塩水と「五香(wǔ xiāng) 」と呼ばれる、八角・ウイキョウ・ニッケイ・山椒・チョウジのつぼみ等の薬草を混ぜ合わせて作った食品。「五香」は、とんねるずの石橋貴明がグッチ裕三から作ってもらった「超高級紳士焼きそば」なる焼きそばの味付けでも使われている中国のスパイスです。
店内には「卤制」の鴨の各部位がパックされて販売。有名どころの部位として「鴨の舌」「鴨の腿」「鴨の手羽先」「鴨の砂ずり」「鴨の首元」などが販売しています。中国人が鶏肉の首をパクパク食べている事がありますが、その時の首の食品は「卤制」の可能性が高いです。
また製造される模様が液晶画面で紹介されていたのが手羽先の製造工程の動画。「どんだけ大量の鴨を使ってるんだ」というほどの量が加工製造されていました。
「卤制」と呼ばれる調理法は、武漢に限らず中国には昔からあるものの「周黑鸭」は癖になる後引く辛さの味付けがウケて、上海など各地で見かけることができる店舗。
同行していた中国人も箱買い。「上海でも買えるでしょ?」と聞いてみたのですが、「ここ本場ですよ!鮮度が違う」とのこと。「加工製品だし、こんな時に鮮度って」っと思いましたが、同行していた中国人と同様、旅人たちは先ほどのパックを10パック、20パックと購入して、地元で待つ家族や友人のお土産として購入しているようです。
ちなみに「周黑鸭」のすぐ横にも同じ「卤制」を扱う店舗があるのですが、店舗の規模は1/3程度。「周黑鸭」の人気の高さが伺えます。湖北省に住む日本人に聞いた話によると、開発中の地下鉄の駅の名前に「周黑鸭」を立候補したそうなのですが、あえなく落選。
代わりに「东风」と呼ばれる中国の自動車メーカーの名前が採用されています。
不採用となったものの湖北省武漢では「周黑鸭」は、工場は8,000平方メートルの敷地で3,000名のスタッフが年間5,000トンの鴨製品を製造している、武漢を代表する大手食品メーカーの一つ。
上海でも街中や地下鉄駅の構内など購入が可能ですが、武漢に立ち寄った際は中国人へのお土産や自分の為に購入してみてはどうでしょう、スパイシーな味付けがビールに合う食品ですよ。
今日の振り返り!中国語発声
周黑鸭 (zhōu hēi yā) 周黒鴨
卤制 (lǔ zhì) 塩水と五香で煮込んだ料理