2月21日晴れ。上海は先週と変わらず小康状態。在宅勤務が続いています。毎日、上海市政府から無駄な外出は控えるようにとショートメッセージがあり、私も買い出し以外は自宅で仕事をしています。今やれることを集中して行う。

先週から変わった内容など、新しい現地情報と日本の「あれれ」な対応を現地と比較してお伝えしたいと思います。

注文したマスク、ついに新しい動きが

ECサイトの注文状況が配送準備から一向に変化が無かった注文したマスク。サイトに催促ボタンがあるので押してみて連絡を待つことに。

その翌日にサイトよりショートメッセージが届きました。ご注文のマスクについては政府筋防疫機関に緊急徴用されました。ご迷惑をおかけします、ご理解願います。注文を取消の上、類似する別商品をお探し下さい。また取消したお客様には次回購入時に割引して商品ご提供します。との事でした。

購入元のサイトを見たのですが同じ表示がなされ、マスク類の販売在庫の表示はなし。

政府筋というので病院や市政府などと思います。もしかすると武漢へ発送されたかも知れません。緊急時、しょうが無いですね。他のサイトからもマスク注文をしていて良かったです。やはり早めの対処は非常に大切ですね。

自宅に在庫があり心の余裕がある部分もありますが「怒り」というのは不思議に起こりません。頭の隅っこにこんな事も十分あるだろうなと思っていたからでしょうね。

使い終わったマスク、実は取っています。煮沸消毒とアルコール消毒をして再度使う可能性があるかもと思って。

正常復旧には3月4月頃まで時間が掛かるかなぁと勝手ですが想定。今の在庫で十分問題ないのですが、更に伸びた場合はマスク切れが生じてしまうから。この辺の判断も考える必要が出てきそうです。

大学も基本封鎖で開講は延期状態に

過去に何度か登場している「コーヒーおじさん」から「どーしてる?」と電話が。お互いの近況報告をして安全を確認。

週末も大学で絵を描いているおじさん。流石に現在は大学には入れないのだとか。入るには申請が必要らしく、面倒なので結局大学に顔を出していないようです。

大学は人が集まる場所、封鎖状態。絵描き道具を大学に置いてあるので自宅で絵を描けず少々暇を持て余しているのだとか。

2月は新学期の季節なのですが、今回の一件で延期となっているようです。留学を考えていた国外の学生には可哀想ですが、現地に降り立っても言葉もわからず生活状況が違うと、なにかと生活にストレスが生じるので正しい判断かと思います。

情報交換を行う毎日

北京や江蘇省、広東省の友人やパートナーから連絡をもらい情報交換をしています。基本的な動きはどこも同じ。普段やれないことや、出来ることを中心に行うという状況です。

「工場を稼働させてよい」となっている場所もありますが、従業員が地方から戻ってこない。人が居ないから稼働できない。そんな状態も多いです。もちろんお客様の工場によっては稼働している工場もあります。

北京で自営業をしている友人は出社して仕事を再開。エレベーターはティッシュが置かれていて、ボタンを直接触れないよう対応しているのだとか。

ビルの運営会社によってビルへの入室許可を出していない所などもあり、この辺は各運営会社に任せているようです。

白菜暴騰の話を聞いて買い物へ

日本のニュースでは北京で白菜が100元(1600円)との話があり、市場へ買い出しに。

買い出しに出かけると先週より更に多くの市民を見かけました。犬のお散歩、友人とマスク姿で談笑する人、身体がなまって走っている人。ベンチでタバコを吸いながら缶ビールを飲んでいる人。

市場や人通りが多いので体温計ではなく、パソコンとサーモグラフィで市民を判断。みなさんマスク姿で最低限の生活を送っているようです。


上海では500グラムで3.5元。大ぶりの白菜ひと玉で20元から30元程度で購入できました。白菜以外に椎茸や人参、大根、ピーマン、じゃがいも、ブロッコリー、キャベツなどおきい袋に2つ購入して100元。

北京の白菜はよほど高級スーパーか、とんでもない量の白菜を購入したんだと思います。少々日本のニュース煽りすぎ。

引きこもり生活で発生した一大事

引きこもり生活、何も大きなトラブルが無かったのですが、ついに一大事が発生してしまいました。

1月19日夕方にポリポリとオカキを食べていた瞬間、奥歯の詰め物が取れる!慌てない慌てない一休み。

22日から歯医者が営業開始との話だったので、翌日に予約。22日の予約が取れ一安心と思った瞬間。午後に歯医者から市政府の指導で3月2日まで延期の通知が。改めて予約を取り直したのですが、10日間ほど歯抜け生活を送ることになりました。はひはひはひ。。。更に延長になると嫌だなぁ。

日本の対応をみて気になること

長崎市や大村市はそれぞれ福建省や上海市の闵行区と姉妹都市を結んでおり、ニュースで防護服やマスクを支援物資として提供、というニュースを見たのですが、この行動に市民が怒りをあらわにしていました。

まずは市民に配布だろマスクが買えない状況なのに。日本の医療機器関係に提供すべきだ。中国に忖度するな等など役所の対応に対してのSNSで書き込みが。

ただ少し違和感を覚えた書き込みでした。それは日本の報道でも早いタイミングで中国の新型コロナウイルス発症を取り上げていました。そして春節は中国人が多く訪れる日本。

私は21日の時点に日本のアマゾンを使って定価でマスクを購入して日本の実家に発送。

春節前で中国人が日本に旅行してマスクの買い込み、ネットで買い占めが起きる事も想定できました。

中国だけの事と思って何も準備しておらず、時間の経過と供に「自分がマスクを買えない」状況に置かれて、怒りの矛先を市役所の対応にぶつけているんですよね。

市民だ、医療関係だと正論に聞こえるんですが、自分の対応力のなさ、危機管理の低さを隠すために責任転嫁している書き込みに思えました。他の有事が起きた時も市民ってこんな反応を示すのかなと参考になった出来事です。

ただ市役所の対応も中国からの“マスクが無い”と言う情報は何処から入手して、誰がどのように役所に伝えたのか。正直疑問も残りました。

25日は春節開始で多くの店舗が休み。物流も止まります。こんな現地情報を理解していたのだろうか。

つまり倉庫に在庫はあるが、手元に入る”マスクが無い”。または、マスクの価格が高くなって定価で買える”マスクがない”。など「マスクが無い」にも、それぞれどんな理由で「マスクが無い」のかの、正しい情報が入っていたのでしょうか。

また一度決定すると中止をし難いお役所の体制。物資を送るタイミングや送る相手、その準備など見極めも必要だったと思いますし、送った後にどう使われるのか、ちゃんと相手に確認するのも大切だと思います。

支援は素晴らしいが、身の回りの自衛をしてこその支援です。日本で感染者数が増加した場合、中国の対応は自国の在庫を保持して、日本に支援すると思います。この辺の考えを長崎が持っていればいればいいのですが。

なお仮に10万枚おくっても人口が10倍あるので1万枚のイメージ。1万枚でどのくらいの人たちや機関に配布され利用されるかも把握しておく必要があると思います。

大村市を含めた日本の対応は中国のネット記事でも取り上げられていました。
記事「谢谢你,日本」

感染者の数について

感染者の数も日本で発生している数を10倍にして考えると、日本の感染者の数と中国の感染者の数を対比できると思います。

日本の感染者の数や死亡数がまだ少なく感じても10倍にしてみると中国との感染者の数が実感できるのではないでしょうか。

数を置き換えて考えるのも、冷静に判断する場合に必要なことかと思います。正直、日本の感染者が今後も増えそうで、仕方がありません。

上海での生活は意外と安心

上海は隔離や行政の対応など政策がしっかりしていると、住んでいて改めて思い直しました。通知、消毒、街の対応、人が集まる場所の封鎖など。

私の会社は春節前の1月15日まで湖北省にスタッフが滞在。上海に戻った後は事情を説明して自宅にて隔離生活を送ったスタッフがいました。

春節明けに電話会議をしているとスタッフ側でチャイムを鳴らす音が。一旦会議を中止して話を聞くと医者が定期訪問。隔離中は医師が毎日体温チェックに来ていたのだとか。

中国は監視カメラも多く、ホテル宿泊や移動時は必ず身分証やパスポート提示の上、登録されています。

感染者が見つかった場所や立ち寄った場所をカメラやIDから割り出し、感染者との接触の可能性があった人物も特定がかなり簡易的に行えるはず。個人保護と表裏一体でありますが、こんな時には非常に有効な手段なんだと感じました。

もしもの時に日本はこんな体制をすぐ行えるのでしょうか。ちょっと疑問に思ってしまいました。

イベントが今でも行われる日本の恐怖

今も日本はイベントなど延期せずに縮小や予定通り行い、参加者へマスクをしてご来場をという判断も多く、目に見えない感染と準備したイベントを天秤にかけているようで、ちょっと日本の判断が怖いです。

多くの人が関わって苦労して準備した想いは分かるんですが、中止や時期をずらすという決断も大切なんじゃないでしょうか。一度決めた人の流れをせき止めるって難しい事だと勉強になりました。パニックも同じように起こるんでしょうね。

長崎県五島市では「国際ツバキ会議」と「全国椿サミット」と椿に関するイベントの中止を発表。理由として密閉された室内でのイベントが多い、参加者が高齢者も多く感染の可能性が高いなどを理由に8年かけたイベントを中止に。

イベントを実施して感染しなかったかも知れません。が、それは誰にも分かりません。英断を下したと思います。

今回の五島市の対応をみて落ち着いたら一度訪問したいと思いました。それは冷静に判断を下せて危機管理が高い場所だと感じたからです。少しでも五島にお金を落としたいです。

決断を下すとクレームが出る。仮にイベントを実施して感染者がでると中止に何故しなかったとクレームが出る。どう転んでもクレームを受ける。だったら余計な判断を下さずに、そのままイベントを実行しちゃいますよね。なんとも息苦しい日本です。