広州出張の合間に南の地域のグルメを満喫してみました。週末を挟んで8日間ほど広州出張があり平日は時間が無かったのですが、週末の時間を使って広州地域の料理を楽しんでみました。上海では食べられない本場の味付けに舌鼓。

食は広州にあり」という言葉があるように、久しぶりに広州の食を食べ尽くしてみました。

朝食は南の名物料理「肠粉」をツルリン

折角の広東省。朝はホテル近所の店舗で食してみました。上海では見かけることが出来ない「肠粉(cháng fěn)」を選択。

肠粉」とは米粒をすり潰して水と混ぜた液体を容器に薄く伸ばし蒸し器で蒸し上げた品。出来上がりが腸に見えるから「肠粉」と呼ばれ、野菜や肉、海鮮、卵を一緒に蒸して調味料をかけて仕上げます。食感はぷるりん

「肠粉」を調理中ですがオーナーの手前にある金属製の四角い物体が蒸し器。後ろにあるのが米粒をすり潰している機械です。

この店舗で注文したのは卵と豚モツ入り。他の店舗で食した「肠粉」はレタスともやしが入っていたり、牛肉入りと各店舗の特徴があり美味しく楽しめました。

もやしやレタス入りの腸粉

レタスと卵入りの腸粉

牛肉入りの腸粉

活きの良いドジョウは素揚げでパクリッ

週末は街中にあった屋台に飛び込んで食材を物色。立ち寄った店舗に、にょろりドジョウを発見。ドジョウの中国語は「泥鳅(ní qiū)」と呼ばれます。

実は中国の市場でよく見かけるドジョウ。しかし食べた事が無かったので試しに注文。中国ではドジョウに似ている「鳝鱼/黄鳝 (shàn yú/ huáng shàn)タウナギ」も食され、上海料理には「响油鳝丝(xiǎng yóu shàn sī)」と呼ばれる料理があります。

注文すること20分。時間がかかっているのは内臓を取って汚れを落としているからとの事。
もしチャレンジしてみたいと思った方、注文して食べるまでに時間が掛かるようです。注文の際はご注意を。

素揚げした後にネギやセロリなどの香草野菜と炒めて完成。素揚げドジョウも味付けされていて、シッカリ火が通っているので頭からしっぽ、骨まで食べられました。下処理のおかげか臭みなし。少しピリリと唐辛子。ビールがすすむ味付けでした。

最強タッグ牛肉スープと大根と牛さがり煮込み

打ち合わせを終えて別の場所へ広州市を移動。

街中をウロウロと歩いていると見かけた「汕头牛肉丸(Shàn tóu niú ròu wán)スワトウ牛肉団子」個人的にこんな店構え大好きなので、飛び込んでみました。


メニューから「牛肉面(niú ròu miàn)牛肉麵」「萝卜牛腩(luó bo niú nǎn)大根と牛さがり煮込み」を選択したのですが「牛肉汤(niú ròu tāng)」があるそうで、スープにチェンジ。

私は上海で中華を食べる時、スープ類は基本的に食しません。それは味付けが薄いから。他の料理の味付けが濃いのでスープが薄めで調整できるのは嬉しいんですけどね。

ただしこちら広東だと日本人に馴染みのある味付けのスープです。

出てきた料理スープにはレタスと大盛りの肉。これでもサイズは小です。付いている少し辛めの味噌で味変。香菜やセロリ、揚げニンニクとの相性がバッチリです。日本でもウケそうな味付けですよ。

併せて頼んだ牛さがりもよく煮込まれていて、ホロホロ。大根がもう少し煮込まれていると最高でしたが、さっぱりした大根の味を箸休めにしつつ、牛さがりを楽しめました。

広東省の夜といえばグツグツの海鮮粥

そして食べておきたかった一品が。それは粥。広東省に来たら一度は食べたい中華粥。正直これは当たり外れや個人の味の好みもあるのですが、取り敢えずホテル近所の粥屋に。

南らしくお茶とボールの登場。お茶を使ってお皿や箸などを洗います。

粥が出来上がるまでに海鮮を食べようと選んだのですが、鯛、鯵、のど黒、キス、タチウオ、マナガツオ、サワラ、イトヨリと結構魚類は豊富です。折角なので上海で余り見かけない鯵をチョイス。素揚げで食べられるそうなので「椒盐(jiāo yán)」を注文。

日本より脂ののりは抑えめでしたが、やっぱり青魚は美味しいです。

揚げたての鯵を食べていると真打ち登場。エビの海鮮粥。ちょっと残念でしたが米粒が残った状態のお粥でした。店舗によっては米粒が溶けているお粥(※)が個人的には好き。(※そもとも米粒の状態でない米を調理しているます)

使い古された土鍋にグツグツの状態でやってきたお粥。山盛りの香菜をぶっかけて食します。暑い夏に暑いお粥。はふはふ熱を冷ましながらお粥を食べ全身から汗を吹き出し食します。あぁ嬉しい、食のミッションは達成したと言っても過言ではありません。


動画で美味しさが伝わるといいんですけども。

客家料理屋で見かけた牛杂煲で白酒を乾杯

基本的に「大众点评」など使わずにレストランの見た目で店選びをしています。もちろん「大众点评※」を見てある程度は絞り込みもするのですが、店構えって大切なんですよね。※ちなみに「大众点评」とは中国版ぐるなびのようなサイトです。

土曜の少しお昼を過ぎた時間帯に入ったお店の看板に「客家料理」の表記。

「招牌卤水鸭(zhāo pái lǔ shuǐ yā)塩煮アヒル看板料理」と「牛杂煲(niú zá bāo)牛モツ鍋」と、ついでに白酒も昼から注文。

「招牌卤水鸭」は有り難い事に骨抜きで食べやすくお酢とネギが入った小皿に漬けて食します。久しぶりにカモを食べましたが、鶏肉と比べて鳥類の味が深く、白酒のアルコールがしっかりマッチ。


そしてグツグツ煮立て出てきた「牛杂煲」。こちらも広東省で食べておきたかった一品。レバー、牛さがり、肺、牛筋、ハチノス(第二腸)がこれでもか!と入った鍋。

中国には「煲」の名前がつく鍋料理があり、牛肉、豚足、鳥肉、羊肉などなど各種具材が揃っています。※各店舗で取り扱い料理は異なります。

ネギやニラの葉がモツの臭みを取って、こちらも白酒がすすみます。

広東式飲茶でTHE定番メニューを注文

週末を過ごした場所は、広州市内ではなく工場地帯のかなり田舎だったのですが、飲茶屋があったので、飲茶を楽しむことに。

昼時でかなりの混み具合。テーブルにはお茶を沸かせるセット付き。さすが飲茶屋。本来飲茶って友人知人と集まってお茶を楽しみながら、のんびりと食事をするので私のような出張で一人者は少数派。


そんなにお腹も減っていなかったので、飲茶屋のド定番の「蒜香蒸排骨(suàn xiāng zhēng pái gǔ)スペアリブにニンニク香り蒸し」と「鲜虾烧卖皇(xiān xiā shāo mai huáng)生えびシュウマイ王」「白灼靓生菜(bái zhuó jìng shēng cài)レタス湯引き炒め」を注文。

ビールを注文すると「百威(Bǎi wēi)バドワイザー」のみ。持ってこられたビールはコーラー的にストロー付き。いやいやストローは要りません。

「エビシュウマイ」まるまるエビが頂上に鎮座。シュウマイの中もブリブリのエビだらけ。全て食べ終わると自分がエビに変身してしまいそうなくらいエビを感じ取れました。

「スペアリブ蒸し」はニンニクの香りが強くビールに合う味。中国人は鳥にしても豚にしても牛にしても骨周りの肉が大好き。このスペアリブもバチッと骨周りのお肉でした。ちなみに下に敷かれている四角い物体はお芋です。

レタスは湯引きした後に軽く醤油と油で炒めたシンプル料理ですが、レタスのシャキシャキ感が癖になります。

シンプルな料理なのですが作ってみろと言われても作れない絶妙の火加減。クタッとなる手前でレタスに火が通っていて、私は馬や牛か?と思ってしまうほど、モクモクとレタスを頬張ってしまいました。いやーシャキシャキ最高。

いやー満足。本来の目的は当たり前ですが仕事。ただ週末を挟む結果になったのと、途中から私一人で客周りになったことが相まって、結構好き勝手に広東の食を楽しむことができました。

本当、「食は広州にあり」味付け、食材、調理法などなど日本人にはホッとする料理の数々でした。広州、ご馳走さまでした!

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