15年目の中国生活でまた新発見。国が違ってもあるんですね。結構嬉しかった瞬間でした。
8月の終わりに煙台へ出張していたのですが、ホテルの近所にあったイオンのショッピングモールで夕食後に何気なくブラブラ。そんな時に何となく目についた品がありました。それは「海菜凉粉(hǎi cài liáng fěn)」と書かれた商品。
そもそも「凉粉(liáng fěn)」とは緑豆やじゃがいもなどのデンプンを使って麺状にカットして、キュウリの細切りやラー油などを混ぜ合わせて食べる西安や東北地方などで見かける料理の1つ。地方によっては「凉皮(liáng pí)」と呼ばれたりするのですが、「海菜凉粉」の文字を見て「もしや、トコロテンでは?」と思ったのです。
購入しようかと「うーん」と唸ること1秒。次に頭をよぎったのが「違った品だったらどうしよう?」の言葉でした。何故かと言うと日本のトコロテンのように麺状になっておらず、丸大のボンレスハム的なフォルムでビニール袋にパンパンに詰まった物体だったから。
切って食べようか?そもそもトコロテンで無かった場合にホテルでどう処理をすればいいのか?その上、酢醤油的な調味料も付属していない。残念でしたがボンレス野郎に挑戦するチャレンジ精神もなく、その場を立ち去ることにしました。
出張を終えて上海に戻ってテイクアウトアプリ「饿了么」で「海菜凉粉」を検索してみると見事にヒット!折角なので注文してみました。
届いた商品はサイコロ状にカットされた「海菜凉粉」に干しエビや細切れのザーサイが乗っており、味付けは見た感じ醤油ベース。
パクっと一口食べたのですが、やはりトコロテンでした!食感も日本のトコロテンと同じ。日本だと酢醤油に白ごまや青のりをかけたり、黒蜜をかけての食べ方が常識だった私の舌に新しく加わった中華風の味わい。形状も初体験でしたが味付けの発見も面白い所でした。
干しエビの海の風味にザーサイの塩分とコリっとした食感がトコロテンにマッチ。日本のトコロテンでも間違いなく合う味付け。肝心のタレは醤油、お酢にゴマ油が混ざっているようで、まさに中華風でした。ニンニクや香菜などを混ぜても食べる事もあるようです。
ここまで調べたらスーパーで購入を躊躇ったボンレスところてんを買ってみたくなり、ネットで調べると販売先を見つけたので、早速青島から取り寄せてみました。
大きな問題だった購入したトコロテンをどうやって麺状にするか?これは釣りで使うテグスをネットで購入。空いたペットボトルに穴を開けてテグスをバトミントンのラケットの部分のよう通し編み込んで、即席のトコロテン突きを作成。
ふん!と力強く押したのですが、意外や意外ところてんの強度が強くキレイに麺状にはなりませんでしたが、なんとか突き終わっていざ実食。※どうもテグスが太くトコロテンに食い込まなかったのが問題点でした。
見た目が少し悪いのですが自宅にあったポン酢をかけて実食。日本のトコロテンと何の遜色なし!日本に帰った時にツルリと食べていたのですが、コレで日本に帰らずとも食べられる日本の食材をまた1つ見つけることが出来ました。
ネット購入で3本セット30元ていど。調べてみると海鮮の街、青島名物らしく青島の十大小吃の1つとの事。
テングサは中国語で「石花菜(shí huā cài)」と呼ばれているそうです。中国で取り扱いがあるという事は、日本で販売されているトコロテンの一部は中国のテングサを使っているかも知れませんね。
食を通じてですが日本と中国で類似する品を見かけると、「こんな所で共通点を見つけた!」と妙に心が躍るのでした。