中国夏の新名物料理となった感がある日本では馴染みの薄い食べ物。アナタは挑戦できますか?

今の中国では完全に市民権を得て、夏になると専門店がしのぎを削って商売をしています。その専門店で販売している食材とは「ザリガニ」、中国語では「小龙虾」と呼ばれます。

今回はザリガニの旬、ザリガニの食べ方、進化を続ける調理方法などをご紹介したいと思います。

ザリガニの中国語の表現とザリガニを食べる国は?

中国語で「小龙虾(xiǎo lóngxiā)ザリガニ」「龙虾」には「伊勢海老」や「ロブスター」の意味があるのですが、そのフォルムから「小」を付け足し「小さいロブスター」と呼ばれています。

私とザリガニ。私は子供の頃、学校で飼育していた覚えがあり、その経験があるため「ザリガニ=食べる」という意識は薄かったのですが、ただ幼心にエビに形が近いし食べれるかも。と思った覚えもあります。

実際アメリカのルイジアナ州やスウェーデン等では、ザリガニを食べるそうですし、日本でも北海道など一部のエリアでは食されるそうですが、余り日本人にはザリガニを食べるという行為自体、やはり馴染みが薄いかと思います。

しかし中国では「ザリガニ=食べる」のは当たり前。中国のザリガニレポートを紹介したいと思います。

バルタン星人のようなザリガニさん

年中食べるの?中国でザリガニを食す季節とは?

基本的にザリガニは年中販売しているのですが、どうやら旬の季節は春先から夏にかけて。

調べてみると個体種で差があるようですが、春から秋までが産卵期であるので、産卵期の肥えたザリガニを食べるため、上海の店舗も夏をピークに「旺季(wàng jì)最盛期」を迎えているようです。

中国のザリガニ専門店は旬の季節以外は、鞍替えして別の品物を販売する店や、年間を通じてザリガニを販売している店舗もありますが、やはり中国人の賑わいが多いのは、断然夏に近づく季節からなのです。

夏の追加ザリガニメニュー

中国でのザリガニの食し方とは?そしてその味とは?

中国で市民権を得たザリガニ。実際はどのようにして調理をするのでしょうか?

ザリガニを食べる=スパイシーな味付けが一般的でした。袋詰した十数種類の香辛料と油を寸胴一杯に入れて、グツグツ煮た所にザリガニを投入。

ザリガニの殻が真っ赤に変色して、身に味がしみた所を食べるのがよくあるパターンでした。

そのため店舗独自の秘伝スパイスが非常に重要で、香りだけではなく、スパイシーさや、後を引く痺れなど、各店舗の調味料の配合が大切な要素でした。

そんな私も実際にザリガニ、食べたことがあります。味としては形と同じでエビに近いという感じ。食感はエビのプリッという感じより柔らかめ。

配合した香辛料のお蔭で非常にスパイシー。後を引く辛さとビールが最高に合います。暑い季節にスパイシーなザリガニとビール。夏に中国人が楽しむ理由も分かります。

が、スパイシーにしている一つの理由は、元々泥臭いなどの匂いを取るためだったのではないか? というのが推測されます。

調理方法の一つに臭い消しをするために、生姜やにんにく、胡椒で匂いを取るというのは、よくある方法です。

キレイな水で泥抜きすることで匂いは取れますが、下処理が面倒な場合はスパイシーにして、臭みを取り除く方法が取られたように思っています。

味付けも進化を続ける最近のザリガニ調理事情。

元々はスパイシーな味付けが多く、ザリガニを食べるというより、各店舗の秘伝スパイシーな調味料を味わうという感じが、個人的に強い感じがしていました。

もちろんザリガニの太り具合も大切な要素だったのですが、各店舗の個性豊かな味付けが大切だったのです。※個人的見解です。

ただ最近は泥臭さも減ったようで、スパイシーな味付け以外にも「白勺(bái sháo)湯引き」「椒盐(jiāo yán)塩胡椒炒め」「蒜香(suàn xiāng)みじん切りにんにく和え」など、ザリガニ本来の味を楽しむ調理方法や、中国でよく見かける調理方法を使って調理をしたり、店舗によってはむき身のザリガニを調理して、ご飯に載せたザリガニ丼を販売している店舗も。

ザリガニを食すための調理方法にも一工夫され始めているのが実情です。

各種ザリガニの調理例

ちなみに食べた経験がある私個人の意見ですが、ザリガニは殻が硬くて食べるのが面倒。

そして苦労して殻を剥いた割には身が小さい。油漬けのスパイシーな殻を取るのに手が汚れる等の理由から、自分から率先しては食べません。食べると美味いんですけどね。

殻むいているんだか、食べているんだか、時間配分が分からない食べ物。

それが私のザリガニに対しての感想です。簡単な話、エビの方が楽で食べやすいです。

さよなら魔都上海の名物ザリガニロード

上海にあるザリガニ専門店街が並ぶ場所がありました。上海の市の中心部にある「寿宁路(shòu nìng lù)寿寧路」と呼ばれる道一帯が奇跡の「ザリガニロード」

ザリガニを中心にシャコの素揚げや、湯でワタリガニを販売しているエリアがありました。

朝方まで営業しているのが特徴的で、上海人がこぞって楽しんでいるエリアだったのですが、調べてみると最近の区画整理で消滅したようです。

多分ですが営業許可書を取っていなかった、そもそもこのエリアは飲食店舗を営業してはいけなかった、そんな理由により営業廃止なのだったと思いますが、「魔都」と呼ばれた上海の良さが少しづつ消滅しているのも事実です。

と言えども、上海の街の至る場所で専門店が営業をしています。

興味がある方は一度、ザリガニ料理楽しんでみてはどうでしょうか?辛い料理がお好きな方はドハマリすると思いますよ。薄めの中国ビールと乾杯!

今日の振り返り!中国語発声

小龙虾 (xiǎo lóng xiā) ザリガニ
https://www.imasugu-chinese.net/wp-content/uploads/2018/08/1235-01-xiao3long2xia1.mp3

白勺 (bái sháo) 湯引き
https://www.imasugu-chinese.net/wp-content/uploads/2018/08/1235-02-bai2shao2.mp3

椒盐 (jiāo yán) 塩胡椒炒め
https://www.imasugu-chinese.net/wp-content/uploads/2018/08/1235-03-jiao1yan2.mp3

蒜香 (suàn xiāng) みじん切りにんにく和え
https://www.imasugu-chinese.net/wp-content/uploads/2018/08/1235-04-suan4xiang1.mp3

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