発売日 2003
監督 霍建起
俳優陣(役柄) 郭晓冬(林井河) 香川照之(哑巴) 李佳(暖) 关晓彤(丫)
東京グランプリ、優秀男優賞(香川照之)
劇中ストーリー
物語の主人公となる井河と暖、ろう者の哑巴(ヤーバ)。
井河と暖は同じ村に住み青春時代に付き合っていた仲。
大学進出で村を出て、その後北京の役人となる。
歌も踊りも村一番の器量よし暖。
京劇の団員として村を離れたい夢を持つ。
村の若者に嫌がられ、イタズラやちょっかいを出すヤーバ。
ろう者ヤーバ役は日本人俳優の香川照之。
日本を代表する演技派俳優であり、
最近は歌舞伎の舞台にも挑戦を始めた香川さん。
この作品以外にも中国映画「鬼が来た」等に、
主演クラスで名演技をされています。
今回この「故郷<ふるさと>の香り」でも、
映画のキーマンとして名演。
映画の中で「村から出る」という表現があります。
村から大学合格者がでて村人は喜んだ。
学校を卒業すると村をでて都会の人と結婚を望んだ。
雑技団の募集で北京に出る、などなど。
日本人の若者が都会に憧れを持つという意味よりも、
更に農村部に住む中国人の都会に対する憧れは強いです。
これは戸籍の問題で都会で家が買えない、
子供を都会の学校に通わせることができない、
都会に住む事で自分の生活が豊かになるチャンスがある、
都心部の人と結婚すれば戸籍が農村戸籍と都市戸籍へ変わる
など中国独自のお国柄が背景には隠れている、
と思いながら観ると更に深く映画に入り込めます。
没想到在这里碰到你 (méi xiǎng dào zài zhè li pèng dào nǐ) こんな所で会うなんて(思いもしなかった)
木橋の上ですれ違う井河と暖。10年ぶりに再会した井河が暖に一言。
秋千为什么叫秋千? (qiū qiān wèi shén me jiào qiū qiān?) ブランコはどうしてブランコと呼ばれるの?
村では秋になるとブランコをこぐ習慣があった。
そんな誰もが疑問に思わない習慣に暖が井河に尋ねる。
※映画の字幕では「ブランコ」を鞦韆(qiū qiān)となっていますが、秋千(qiū qiān)とも言われます。
我给剧团送去。 (wǒ gěi jù tuán sòng qù。) 劇団に持って行ってプレゼントするの。
村にやって来て京劇を演じる劇団にのめり込む暖。
暖は親の目を盗んで、自宅で干している小豆を袋に詰める。
どうするのか不思議に思った妹に対して暖が一言。
妈 叔要带我去坐火车。 (mā shū yào dài wǒ qù zuò huǒ chē。) お母さん、おじさんが私を連れて列車に乗せてくれるって。=お母さん、おじさんが乗せてくれるって。
暖に食事に招かれた井河。
暖の子供丫に今度列車に乗せてあげると伝える井河。
喜ぶ丫が暖に一言。
你猜啊 (nǐ cāi ā) 当ててみて。
ブランコの下で井河が暖へプレゼントを渡す。
どんなプレゼントなの?と問う暖へ井河が一言。
我相信自己,暖儿也相信我 (wǒ xiāng xìn zì jǐ nuǎn ér yě xiāng xìn wǒ) 僕は自分を信じ、暖も僕を信じた。
大学に受かり村をでる井河。村をでる井河を送る村人。
自分が大学に受かろうと決心し、
合格することで暖の夢を実現するために。
そんな当時の二人の関係を井河が心の中でつぶやく。
把伞还给叔叔。 (bǎ sǎn huán gěi shū shu。) おじさんに傘を返すのよ。
北京に帰る井河。暖に別れを伝えに来た井河の傘で遊ぶ丫。
そんな娘を見て暖が言った一言。
今日の振り返り!中国語発声
暖 (Nuǎn) 故郷<ふるさと>の香り