日夜中国のローカルフードを探し食べまくる我ら「上海ローカルフード隊」隊長ジンダオと記事をご覧になって潜入を試みている秘密隊員からなる隊です。「今すぐ中国」では秋冬になると美味しくなる「小籠包」を特設ページでご紹介しています。
久しぶりに上海の小籠包を食べにある場所に向かうことにしました。その場所とは!上海小籠包の聖地と言っても過言ではない場所です。
上海小籠包の故郷「南翔」へ訪問!
上海の小籠包の故郷をご存知でしょうか?「南翔」と呼ばれる場所です。南翔?その名前を聞いた方もいるかも知れません。「南翔饅頭店」と呼ばれる店舗。
日本では六本木ヒルズや渋谷などで営業をしている名店です。本店は上海の観光スポット豫園にあるのですが、この店舗の「南翔」とは上海の地名なのです。
実は上海市嘉定区南翔鎮という場所が小籠包の故郷。そんな上海の南翔へ本場中の本場の小籠包を食べに向かうことにしました。
上海市内にある曹陽路駅から地下鉄11号線に揺られること20分。上海市内からは日本人も多く住む中山公園のエリアから35分程度で到着する意外と交通の便がよい場所です。
10年前は地下鉄もなく訪問するのも一苦労でしたが、地下鉄が伸びたお陰で手軽にアクセスできるようになりました。11号線は半分地下、半分陸上運行のスタイル。中国では地下鉄と一括に言いますが、陸上運行の地下鉄は「轻轨(qīng guǐ)」と呼ばれます。
地下鉄到着後はトコトコ徒歩で約10分
地下鉄の駅を降りると、そこはショッピングモールやマンションが立ち並ぶ普通の街。地下鉄ができた当初は、周辺はなーんにも無かったのですが、上海郊外である南翔はベッドタウンとして開発されています。
駅前にはスタバも。※店舗によって価格のばらつきがありますが、スタバのMサイズのアメリカンは25元でした。(約400円 1元16円換算)。
まず目指すは「上海古猗园小笼食品有限公司」と呼ばれる名店。今回は折角の南翔訪問なので二店舗制覇!を目指し朝食を抜いて我が隊は南翔を進みます。
南翔駅の1号出口から駅階段を降りて道なりに進むと「上海古猗园小笼食品有限公司」は見えてきます。徒歩で10分という感じ。歩いて更にお腹を減らします。アクセスまでの動画はコチラから。
到着したぞ!古猗园に隣接する名店「上海古猗园擦餐厅」
「古猗园」と呼ばれる庭園に隣接する「上海古猗园餐厅」には、「中国名点世界金牌(Zhōng guó míng diǎn shì jiè jīn pái)中国の名高い点心は世界金メダル」と、小籠包の故郷だ!絶品だ!と力強くアピール。
店内に入ると、、、、そこは大きなテーブルが並ぶ店舗づくり。好きなテーブルでお食べ下さいスタイル。いいなー昔ながらのこんな感じの店舗って。
先に支払いを済ませます。えーっと、普通の味付けとカニ味噌と、、、折角なので上海酸辛湯を注文。支払おうと携帯を出した瞬間。「現金だけよ」と、久しぶりに衝撃の言葉を聞きました。今でも貫くストロングスタイル。
そうなのです客がひっきりなしに集まる店舗は電子マネーなぞ導入しなくてもいいんです。そして電子マネーで管理しないので、その売上は二重帳簿で管理されているんでしょう。。。
慌てて財布を取り出し支払い。いつぶりだろうか財布を取り出したのは。。。
薄皮から溢れ出す透き通る小籠包のスープを舌鼓
南翔にある小籠包店舗は基本的に各店舗ともほぼ同じ価格。原味が15個28元、カニ味噌が10個30元、酸辛湯12元で合計70元。
引き換えの紙をもらって空きテーブルに荷物を置いて、小籠包と引き換えスペースに歩み寄り小籠包を引き換え。
スープは奥の調理場から持ってきてもらいます。香醋を入れる小皿、箸、レンゲはセルフ。酸辛湯も席に座った頃に登場。
どーですか!日本だと三個や四個ていど。本場は10個15個単位です。腹いっぱい食べられます。小籠包は品よく食べるもんじゃーありません。ガッツリ食べるんです。
さーて、実食!ここの小籠包は皮が非常に薄め。皮から溢れ出す透き通るスープはサラリと繊細。上海市内でよくある甘めで醤油色のタイプではありません。ちょっと残念なのは口の中をヤケドしてしまうほどの熱さがない点。
それと皮が薄すぎて、持ち上げると隣の小籠包とくっついていると皮が破れてスープが少し流れ出す点。あースープが勿体ないよー。
十分にうまいんですが、カニ味噌が少なめ。もっとパンチ効かせてよ!と贅沢な悩み。やはり11月や12月頃の方がカニ味噌はいいかも知れませんね。
レンゲに流れ出す澄み切ったスープと香醋を混ぜ合わせ、一口でパクっ。あれこれ考えず無心で頬張ると、いつのまにかセイロは空になっていました。
上海酸辛スープは胡椒が効いています。酸っぱさが物足りない方は、テーブルにある香醋をドババーと投入してください。しいたけ、たけのこ、細切り豆腐、かき卵が入ったシンプルな酸辛スープ。量が多いので二人でシェアでもよい量です。
しかし、まだ入るぞ!二軒目に移動です。
店舗の様子と流れ出す小籠包のスープの様子はコチラから
店舗データ
店舗名:上海古猗园擦餐厅
住所:嘉定区南翔镇沪宜公路281号
日本人ツアー客も訪れる南翔小籠館
「上海古猗园餐厅」から3分ほど北上して現れる川沿いに歩くこと7分。またもや歴史がある店構えの店舗が現れました。
実はこの川沿いは「南翔老街」と呼ばれる、古い町並みが残っているエリア。軽食の店舗やお土産、お菓子などの店舗があり、冷やかしで街をブラブラするだけでも楽しめます。そして小籠包の店舗も沢山営業しています。
南翔老街のぶら歩きはコチラから
そんな「南翔老街」で選択した店舗は「南翔小籠館」ここの店舗の横には、南翔小籠包の歴史を学べるエリアと二階で小籠包を包む体験が可能な施設。
その横にある店舗に潜入。木に彫られた「南翔小籠包」の文字がデカデカと出迎えてくれます。
ここでは原味を注文。電子マネー対応でした。10個28元。テーブルは昔ながらの木製の四角いテーブルと長椅子。この店舗も店構えに味があります。
この店舗のポイントは実際に小籠包を包む様子が間近で見られる点。じーっと様子を見学。
そんな事をしながら時間つぶしをしていると「足元にご注意くださーい」と聞き覚えのある言葉が。そして腕やバックに「目印」を付けて、ぞろぞろと入ってくる人たち。そうなのです日本人ツアー客がやって来たのです。私は一階、ツアー客は個室がある二階。
早速、スタッフに聞き込み調査。聞くとツアーに組み込まれているようで、「日本人は毎日のように訪れるわよ。今日はまだ二組目。昨日なんて三十組も来たわ」とのこと。そんな話を聞いていると、また次のツアー客がご来店。大盛況でした。
着席して10分ほどで出てきました小籠包。こちらの店舗もセフルで小皿、レンゲ、箸を取って実食です。同じく透き通るスープ。そして蒸したてなのでしょう、アッツアツ!うははっ最高。小籠包さん、僕と付き合って下さい。口の皮が剥がれてもいいー。
こちらは上海でよくある皮が厚めのタイプ。二軒目で皮厚タイプは少しお腹に堪えます。
さっぱり感は一軒目、こちらは少し濃厚かも知れません。正直この辺の味付けと皮の厚さは個人の好き好きですが、私的には一軒目が好きな味と皮のタイプです。
店舗の様子と流れ出す小籠包のスープの様子はコチラから
店舗データ
店舗名:南翔小籠館
住所:南翔古镇生产街134号
ちなみに食後に店舗前で休憩していた日本人にも突撃インタビュー。仙台からお越しとのこと。年齢からして退職されたご夫婦中心のツアーでした。
いやー流石にお腹いっぱい。結果、二件で合計35個の小籠包を堪能。夜までお腹は減らず、この日は夜ご飯なしで十分でした。数ヶ月は小籠包を食べなくてもよさそうです。
今日も中華、ごちそうさまでした。