このメルマガを長くご覧の方は「私が食べ物に並々ならぬ強い思いを持っている」と薄々気がついているかと思います。

生まれが九州ということもあり特に魚が大好き。そんな私が中国で生活を初めて困った事の一つに魚を食べる量が減った事でした。また当時の留学時代に留学生の中に伝わる都市伝説的な噂話などがありその一つに「内蔵物や海鮮系は鮮度が悪く腹を下す」という話が伝わっていました。

確かに市場などを訪れても目の死んだ魚も多く、海鮮系や豚レバーなどは極力避けて生活をしていたのですが、二年三年と中国生活が続くにつれ「魚が食べられない辛さ」がストレスになり、鮮度の良い魚を探す生活が始まりました。

今はなき「銅川路」の海鮮市場の潜入に始まり、上海で海鮮を扱っているレストランを虱潰しに探し食べ歩き、物流が今のように良くなかった時代に見つけた半透明に透けたイカが置いている中華レストランを見つけ足繁く通ったりしていました。

通った店の店名に「沈家门(shěn jiā mén)」という名称が付いてある事から浙江省舟山の存在を知り、店舗で扱っている魚が舟山から来ているならば、現地は更に美味いだろうと初訪問した舟山の海鮮のレベルに満足して毎年二回から三回は通っていた舟山。

ここ数年足を運んでいなかったのですが久しぶりに舟山の魚を求めて足を運んでみました。

舟山までのアクセス基礎知識

私は全ての方法を試したのですが上海から舟山へのアクセスは大きく三種類に分かれます。高速バス、高速船、飛行機の三種類。

高速バスは一時間に数本運行しており価格もリーズナブル。しかし舟山まで4時間ほど掛かります。高速船はバスより少し早いのですが価格は少し上がり、海の荒れ具合で運行できないというリスクがあります。

私は一度試したのですが、違う高速船に乗り込んでしまい、全く違う島に到着して、島から島へと移動をした思い出が。

そして便利で快適なのが飛行機です。浦東空港から出航しており約50分のフライト。毎日1便なのですが片道500元ていど。あれこれ試したのですが、飛行機での移動に落ち着いています。

高鉄での移動もあるのですが寧波までしか移動できず、高速バスに乗り換えになってしまい、乗り換えの不便さと時間のロスを考えると飛行機がオススメです。

舟山到着はお昼の13時過ぎ。到着後は軽い軽食が取れますし、上海へのフライトは19時くらいなので早めの夕食を取ってから上海に戻れます。

数年ぶりの再訪で大きく変わった浙江省舟山

三年ぶりだった舟山なのですが、驚いた事が3つありました。

1つ目。到着して驚いたのは空港が新しくなっていた事。あとで聞くと昨年あたりに新オープンしたそうです。

以前の舟山空港は到着するとタラップから降りて、空港までバスで移動ではなく「徒歩」で空港まで移動。昭和ドラマ「Gメン75」のオープンのように滑走路を歩けていたのが、ボーディングブリッジが接続されて滑走路を降りることなく空港に入場。

飛行場マニアにはタマラナイ。舟山空港の搭乗は歩き!飛行機【飞机】

次に驚いたのが空港に停車しているタクシーが新車に刷新されていた事。以前は御世辞にもキレイと言えない本当にボロッボロのタクシーだったのが、キレイな新車。

以前はヨーロッパ系のメーカーが多かったのが、トヨタ車などに切り替わっていたものポイントでした。空港新設に併せて変わったのかも知れません。

海鮮が楽しめる港沿いの「沈家门エリア」まで20元から30元くらいで到着します。

そして最後の一つが舟山も当然ながらキャッシュレス社会になっていた事。スマホ決済が街中に浸透していて非常に便利に旅を楽しめました。

海鮮を楽しむ3つのエリアとオススメ店舗

基本的に海鮮レストランは舟山の街中に存在しています。いろんな場所の海鮮レストランに通って既に自分好みの店を探し当てています。それでも更によい店舗がないか舟山の訪問時は必ず新店舗に足を運んでいますが、店舗形態にもいろいろな特徴があります。

舟山は観光客も多く集まる場所。そのため旅行客向けの店舗や、地元住民向けの店舗に大きく分かれています。どうしても沈家门の周辺、特に港沿いの滨港路と呼ばれる道路にあるレストランは旅行客向け。

ただし競争が激しいので価格帯はそこそこ。客寄せの安価なメニューを準備しているのも特徴的。飛行場から移動してきた観光客も多いからか14時や15時の訪問でも快く迎えてくれます。

また夜になると「大排挡(dà pái dàng)」と呼ばれる海鮮レストラン屋台が沈家门のフェリー乗り場近くで明け方まで営業中(滨港路☓中兴路)。ここは正直THE観光客向けの店。

ロケーションは海沿いで最高ですが、価格は高め。その代り海鮮の種類は豊富で九州で見かけるウチワエビなど、レアな食材も見かけます。

滨港路からタクシーで5分ほどの内陸部にある海莲路☓灵秀街にある海鮮レストラン街。ネオンも華やかですし観光客もですが現地の人も比較的訪れていそうな場所です。

あとは街中に点在するレストラン。個人的にはこの街中に点在する店を狙って訪問しています。紹介した全ての場所に訪問して食べてみましたが街中点在レストランは、住宅街に隣接している店舗も多く、現地の人が集まっているような感じがしています。

私は個人的に地元民が多く行ってそうなレストランを選択しています。理由は現地の人が集まる店は一見さん以外が多いでしょうから、地元民ピーターが多ければ味も安定しているはずだから。

それに地元民が多い店舗は価格もリーズナブル。しかし価格より大切にしているのは魚種が豊富な店舗選びです。せっかくなので上海で楽しめない魚を楽しみたいから。

自己責任でお願いしたいのですが海沿いの道から離れた「同济路」にある、「吉利夜宵」という店舗が個人的にオススメ店舗。

魚種も豊富、地元民も多く、価格も比較的安価です。海鮮料理は基本的に何を注文しても当たりなのですが、海鮮と共に頼んで欲しいのは「炒米粉(chǎo mǐ fěn)焼きビーフン」

両面がしっかり焼かれ焦げ目がついた出来栄えが特徴的なのですが、食感のアクセントとなるモヤシと中華セロリが抜群にマッチ。セロリの風味も抜群です。他の店舗でも注文するように心がけていますが個人的にここの焼きビーフンが暫定一位です。

二泊三日の海鮮食べ巡りだったのですが、魚の鮮度や種類を観ながら店舗選択をした結果、結局この店舗に三回訪問となりました。。。なおこの店舗の特徴は極狭の小部屋で食事が楽しめる事。他の店舗でも見かけますが、周りを気にせず食事を楽しめます。

吉利夜宵では甘鯛、石鯛、のど黒を注文。調理方法は清蒸や葱油。それ以外の店舗ではイケてる魚(珍しい魚)が見つからず、あん肝スープやあんこうの煮付け、もち魚(いぼだい)の蒸し、雑魚煮、アサリ炒め、子イカ炒めなどなどを注文。

皆さんも自分なりの店舗を見つけて海鮮を注文してみて下さい。

店舗データ:吉利夜宵
住所:同济路346号

舟山で食べて欲しい海鮮面

また舟山で外せないのは早朝から営業している「海鲜面(hǎi xiān miàn)海鮮麺」舟山の町を歩くと至る場所で営業しているのが分かるほどメジャーな海鮮麺。

醤油ベースに海鮮や豚骨のダシが混ざった海鮮ラーメン。具材は自分でチョイスして分量によって価格が異なります。麺も細麺・平麺・太麺と選択できる店舗が多いです。

海鮮面にはエビや貝類、そこで素揚げした後にお酢等で味を仕上げた黄魚やタチウオ、サワラなどのトッピングがスープに深みを与えてオススメです。上海でも実はあるので、また機会があればご紹介。

今回は宿泊先の近くにあった「阿宝海鲜面店」へ。早朝6時オープン。イカ、サワラ素揚げ、アゲマキガイをトッピング。「はいよ」と出てきた器がホーローというのも年季が入った感じの店舗。スープは見た目よりさっぱり薄めです。

美味しかったですが、是非訪問を!というほどでもないので住所は載せません。ご興味があればネットで調べて訪問を。

のんびり街歩きに向いている舟山市内

舟山の近所には有名な「普陀山」と呼ばれる観光地がありますが、私は訪問していません。仏教の観光地なのですが興味がないのと、舟山の目的が海鮮を食べるためだから。噂によると島内のレストランはボッタクリ価格帯だそうです。

私は観光地まわりせずに、舟山の市場を訪問したり、路地裏を歩いたり。市場にはキンメダイ、のど黒、サメなど販売している魚を見て回っています。時間帯が合えば出荷しているカブトガニを見ることも。

海鮮の町らしく干し魚を作ったり、路地の細道を三輪で荷物を運んでいる姿、巣作りしている燕や漁を終えた漁師が小魚を住民に販売している姿が。

また海沿いのホテルを予約すれば出航する漁船を眺めることもできます。また先ほど紹介した滨港路のレストラン街に夜に足を運ぶと客目当ての流しの歌手を見ることも。スピーカーとギターを抱えて一曲売りをしている流しの歌手。

上海にも10年くらい前までは見かけることができた流しの歌手の美声が聞けますよ。

中国で海鮮というと大連や青島、南では広西や海南島などが有名なのですが、上海のご近所でも海鮮を楽しむ事が可能です。

上海の高級な日本料理店では舟山から生きた状態や〆た状態で魚を空輸している店舗もあるほど、舟山の海鮮は上物です。また上海では中々お目にかかれない魚類も豊富ですので、上海に生活をされている方、週末に一泊二日でも十分に楽しめますので、訪れてみてはどうでしょうか?

到着後の遅めのお昼は海鮮ラーメン、夜はガッツリ海鮮料理、翌朝はホテルの朝食、お昼に海鮮料理、夜も海鮮料理を早めに楽しんで、18時くらいに空港移動で間に合います。

フライトスケジュールに影響するので梅雨の時期や台風シーズンは極力避けたほうが良いかと思います。