友人の新しい門出と選択した新しいチャレンジに応援の気持ちでイッパイです。2005年2月から私は上海で生活をしています。当時の私は語学留学からスタートしたのですが、同じ時期に留学していた生徒で今現在も中国で生活をしているのは私が知っている限り私を除いて友人である韓国人一人だけでした。

その韓国人が中国を完全撤退して韓国に帰国するという事で送別会に呼ばれました。

中国で留学を経験している方は韓国人留学生に対してそれぞれの考えがあると思います。どんな考えなのかは趣旨を外れるので省略しますが、ただ一般的な韓国人留学生とは少し違うタイプの男でした。

英語が話せたから・彼の性格も影響していたと思いますが韓国人以外にも率先して話しかけ、食事やイベントに誘い交流を深める人物でした。

だからだと思います。送別会に集まったメンバーは韓国人、フランス人、日本人、中国人とバラエティーに飛んだメンバーでした。

彼からは学ぶべきことも多く、中国語の単語が分からない時は代りに英語やゼスチャーで意志を図るなど彼の姿勢を見ていると語学というのは、コミュニケーションのための道具。あくまで相手に意思を伝えるためのツールだというのを、彼を通じて知ることができたのです。

そんな彼が中国撤退を決めた理由は彼の今後のキャリアと韓国の経済や韓国と中国の関わり、家族など複合的な要因からでした。

彼曰く14年の間で上海在住の韓国人は最盛期の15万人を境に現在は3万人。(日本人は5万人を割ったと言われています。)多くの韓国人はベトナムやマレーシアなど東南アジアにシフトして中国国内の仕事が激減していること。

彼自身が働く会社も一時期に比べて仕事が激減。生まれてきた子供の教育、先々の仕事の将来性を考えて転職を決意したそうで、今後は韓国を拠点に中国やアメリカの仕事に従事するとの事でした。

彼の話では中国でウケが良かったサムソンなどの電子機器や韓国の化粧品メーカーなど、中国メーカーの台頭で徐々に押されているそうです。

韓国発のカカオトークなど元々は中国のWeChatに比べると比較にならないほど機能レベルが高かったが現在は機能面を含めてWeChatに逆転されているし、中国との付き合いを考えなければと思ったようです。

そのため韓国で新しく海外展開を考えているビジネスに携わっていくとの話でした。

子供の教育や医療面や経済的な補助などを考えても韓国国内の方が生活しやすく、年老いた両親のことを考えると、という決断です。

ただ彼は韓国での就業期間が短く、海外での生活が長いため、韓国へ帰任してからの韓国国内のビジネスの風習や習慣に馴染めるのか、というのが悩みの種と漏らしていました。よーく分かります。私も多分、日本では異星人。日本での就業は無理だろうと諦めています。

撤退したと言っても仕事で中国にも定期的に出張もあり、拠点も上海にあるとの事なので再び上海に舞い戻ってくる事を期待しています。

それにしても韓国語と英語そして中国語のトリリンガル。そして日本語は単語をカナリ取得済み。話す話題にはジョークを交えるので中国語だけでなく、彼のセンスや時事ネタを知っておく必要があり、彼との付き合いが無かったら私の中国語のレベルは間違いなく低かったでしょうし、同年代の彼とは何かと話も合ったり中国留学を豊かにできたのは事実です。

何かとアレコレ国交で話題にあがる韓国ですが、彼という人物を知っているから国と個人は違う部分がある、と思いとどまれています。

彼の成功を祈りたいですし、「リスクを取らないとチャンスはやってこない」チャレンジ精神溢れる前向きな彼らしい一言が印象的でした。帰国するということで彼からもらったノベルティグッツ。使って彼を思い出したいと思います。