中国で浸透したWeChatPayとAlipayの電子マネー決済。日本もQRコードを使ったキャッシュレス決済が徐々に盛り上がりを見せているようです。

それではキャッシュレス先進国の中国では何処までキャッシュレスが浸透しているのか?現地の状況が気になる方も多いのでは?

今回は現金を使わずキャッシュレスで切り抜けられるのか?実験してみました。

財布を持たずに街に出よう!電子マネーだけで生活は成り立つのか

私自身も「電子マネーって何処まで使えるのだろう?」と脳裏をよぎったことが二度三度あります。そこで一大決心!財布を持たずに街へ繰り出してみました。

二日酔いの翌日は一大決心すること無く財布も携帯も持たずに仕事へ出かけ、最寄り駅の改札で気が付いて自宅に引き返す事もあるのですが、今回はシラフの状態でお財布なし生活にチャレンジしてみることにしました。

しかし「一ヶ月○○生活」と言う企画のように長期間という訳に行きませんので、取り敢えず一日だけ生活ができるのか?実験してみることにしました。

選択肢が意外と多い電子マネーを使った交通機関の移動方法

まずはシラフの状態で自宅を飛び出し最寄りの地下鉄へ!最初の難関は地下鉄の改札口VS電子マネー。上海の地下鉄チケットは一回のみの乗車チケットとSuicaのようなチャージタイプの交通カードの二種類が主に使われています。

一回乗車券は自動券売機を通じて購入、交通カードは窓口もしくは自動チャージ機でチャージを行います。

私はスマートフォン利用なのですが、上海の地下鉄会社からスマートフォン向けに提供しているアプリをインストールして簡単な初期設定をすると、地下鉄の改札が通過できる素敵な仕組みがあるのです。
上海メトロアプリの紹介ノボリ

アプリをダウンロード後の簡単な説明をすると、電子マネーをアプリ内にチャージする。改札口に近づいたらスマートフォンでアプリを起動する。アプリに表示されるQRコードを改札口に近づける。

改札口に付属されたスキャナーでQRコードを「ピコッ」と読み取る。改札を無事に通過。地下鉄を下車する際は再度アプリを立ち上げQRコードをスマートフォンに表示させ改札口でスキャナーを「ペコッ」と読み取り改札口を通過すると言う仕掛けです。
スキャナー対応の中国地下鉄改札口

ちなみに私の使っている携帯メーカーには内蔵された独自アプリ内に「バーチャル交通カード」がインストールされていて、電子マネーをチャージできます。

「バーチャル交通カード」に電子マネー経由でチャージをすれば、スマートフォンを交通カードと同じように改札口に押し当てるだけで乗車料金を精算できる仕組みです。この機能はQRコードを表示不要。スマホ立ち上げも要りません。

簡単な話、交通カードと同じ機能を持つICチップがスマートフォンに内蔵されて、スマートフォンが交通カードの代わりを果たしてくれるのです。スマートフォンよ、お前は電話なのか交通カードなのか、お財布なのか判別がつかないカメレオン野郎なのです。

意外と優れているのがアプリ内には上海以外に北京や武漢など8都市の「バーチャル交通カード」が搭載されていて、8都市であれば着の身着のままの状態でスマートフォンを片手に放り出されても地下鉄の移動はスイスイできそうです。

改札口をQRコードでスキャンするアプリを先に紹介しておきながら、私は今回「携帯のバーチャル交通カード」を利用しました。その理由はバーチャルと言えども「交通カード」と同じ機能なので地下鉄以外のバス、タクシー、渡船などの交通機関に対応しているから。

WeChatアプリで交通機関のQRコード決済が対応

WeChatのアプリでも「上海交通局」も登場。この場合も同様にQRコードを表示すればバスや地下鉄で同じように利用が可能です。

上海の公共バスの乗り口。以前は交通カード対応の機械だったのですがQRコードスキャン対応のモデルに衣替え。

乗客を定点観測してみましたが、QRコード利用よりスマホ決済と既存の交通カード決済の乗客が半々という感じでした。もちろん私もスマホで決済を済ませました。
上海公共バスのカードリーダー

上海公共バスでスマホ読み取り

これで少なくとも自宅に何らかの手段で帰れるのです!もちろん携帯の電池が切れなければ・・・が前提です。まー最悪、徒歩で帰ります。

列車のチケットもタクシーもラクラク電子マネー決済

列車のチケット購入も「電子マネー」対応済み。駅の窓口で「電子マネー決済」と伝えると現金と同じように対応をしてくれます。自動券売機でも同様に電子マネー決済対応済みです。

ちなみにタクシーの場合は運転手が「電子マネー」を持っていれば、運転手と私のスマートフォンの電子マネーのアプリを起動させて相互間の送金をする方法、タクシーの社内に準備している決済用のQRコードのカードを私のスマートフォンでスキャンして決済する方法があります。

相互間の送金を行うとお互いの個人情報が通知されて日本の芸能人のように、相手からメッセージを毎日大量に送りつけられることが無いの?と、あらぬ妄想をしてしまうのですが、実際は送金・入金の情報が通知されるだけ。大量メッセージの送信行為などのストーカー行為を心配する必要はなさそうです。

あてもなくバスや地下鉄に飛び乗ったのは良いものの、はてさて何処に向かおうか?実験の旅は次回に続きます