まだまだ暑い日が続く中国上海の夏。日本では冷やし中華やギンギンに冷えたビールと枝豆で涼を楽しむ。

そんな夏特有のグルメがあると思いますが、今回は中国や上海で楽しまれる食べ物「冷面」「冷馄饨」「牛肉拌面」「緑豆スープ」「夏スイーツ」など夏のグルメをご紹介したいと思います。

上海人が愛してやまない冷面&冷馄饨

私も夏になるとよく食べる上海ローカルフード。それは「冷面(lěng miàn)冷まし麺」と「冷馄饨(lěng hún tun)冷やしワンタン」

文字にある「冷」というイメージから、日本と同じ冷やし中華的な冷たさを期待しそうですが、はっきりいいます、冷たくありません。「冷たい」のではなく「冷めた(さめた)」料理です。

身体を冷やさないという医食同源の考えからも、冷たい料理は基本的に取りたがらない中国人。そのため上海では冷ました料理が夏に喜ばれ食されます。

「上海に住んでいるけど、食べたことない!」とお嘆きのアナタ。基本的に日本人出没エリアの虹橋区は開発が進み、ローカル上海料理は食べられる場所が非常に少ないです。

少なくとも中山公園から北側の普陀区や黄浦区、虹口区や楊浦区などがおすすめエリアです。

こんな店構えの店舗に行くと食べられると思います。夏の時期になると「冷面」の張り紙がある場合も。
中国の冷麺店舗

中国の冷麺店舗のチラシ

店内に入ってみましょう。店舗内部ではテキパキとしたマダム達が注文に合わせて冷面を製造中。
冷麺製造作業

冷面の面は基本的に平打ち麺。この麺にお酢ピーナッツダレ、醤油ベースの調味料をかけ合わせ、その後に具材を乗せて完成です。
冷麺製造で使うパレット

具材は追加トッピングができるので、食べたければこんな感じでボリューム満点の冷面が楽しめます。
冷麺その1

冷麺その2

冷面がある店舗ですと冷やしワンタンに巡り会えるチャンスは多いです。ワンタンは茹でた後に熱したワンタを冷やして食します。ワンタンの種類は豚肉ベース、豚肉と椎茸、豚肉と「荠菜(jì cài)ナズナ」などがあります。
冷やしワンタン

冷やしワンタンの食し方。冷面同様ピーナッツダレをかけて、付け合せの香菜と醤油ダレを付けながら楽しみます。

冷麺を店舗で食らう!

中国一の数を誇る「清真」の牛肉拌面

中国には「清真教/回教(Qīng zhēn jiào /Huí jiào)イスラム教」の民族も多いため、豚肉を食べられない方たちも多く、その方たちが商売をしている「牛肉麺」屋があります。
イスラム系の麺屋さん

一般的に食される「牛肉麺」なのですが、夏のこの時期になると楽しまれるのが、「牛肉拌面(niú ròu bàn miàn)牛肉汁なし麺」

麺は茹でた後に水にさらして麺をシメて、薄切りのきゅうりとトマト、牛肉を乗せて、お酢と醤油、ラー油等の調味料で作ったタレをかけて食します。
牛肉拌面

牛肉拌面持ち上げ

もちろんですが食べる時はガッツリ具と麺を、これでもか!と混ぜ合わせて食べてもらえればと思います。シメた麺の弾力が心地よく、きゅうりの歯ごたえが癖になります。あっ、超薄の牛肉は気持ち程度の量ですが、この薄さとこの量がいいんです。

食後にいかが?熱冷ましの緑豆スープ

上海で夏になると楽しめる食後のデザートの一つ。「小籠包特集」でもご紹介した「珊珊小笼包」で食べた夏の食べ物。
珊珊小籠包の店舗前

店舗入り口には年季の入った壁掛けメニュー表が並びます。基本的にこのような店舗は指差し注文が出来ないので、ハードルが高いのは承知ですが、ローカル色の高い店舗は、上海ローカル料理が楽しめます。
メニュー表

店舗のガラスには上海3大夏グルメ「花色冷面」「冷馄饨」「冰凉绿豆汤」の文字が並びます。
上海3大なつのグルメ

注文した「绿豆汤(lǜ dòu tāng)緑豆スープ」このスープは基本的に中国全土で楽しまれているスープのようで、スープと言うかお粥に近い品。味付けは少し甘めに調整している店舗が多いようです。
緑豆スープ

店舗によって差がありますが、スープをしっかり冷蔵庫で冷やしている店舗、冷えてない店舗がありますが、個人的には冷えたスープが美味しく頂けます。

緑豆スープは以前ご紹介したことがある、「下火(xià huǒ)解熱」の作用があるため。のぼせを覚ます効果があると言われる緑豆スープ。

中国らしい食品なので試してみてはどうでしょうか。

上海伝統の夏のひんやりスイーツ

冷めた食べ物の後には上海のデザートをご紹介です。

南京西路の一角にある「王家沙」この店舗、1945年創業の上海人に馴染みのレストラン。上海にも昔からあるローカルひんやりスイーツがあるのです。
王家沙の店舗前
この店舗の二階にある、イートインスペースで注文できる「红豆刨冰(hóng dòu bào bīng)」

ビールジョッキのような容器に入った氷の山。日本と同じ中国上海にもかき氷があるのです。
上海のかき氷

氷の山をかき分けていくと、その奥には金塊の山ならぬ、小豆の山!少しだけトウモロコシがアクセントに入っています。
味は素朴で懐かしい味。今風でない味が歴史を感じさせます。
ヒエヒエの氷の山

氷をかき分けると小豆の宝

庶民派スイーツ。東北大板と緑豆アイス

もっと手軽に冷たいスイーツを楽しみたいと思っている方に。コンビニは小売り店舗で買うことが出来る、アイスの数々。お気に入りの商品と中国らしい商品ラインナップをご紹介。

「雪糕(xuě gāo)アイスクリーム」なのですが、数年前から上海でも見かけ始めた「东北大板(dōng běi dà bǎn)」と呼ばれる、中国東北地方、黒龍江省生まれのメーカー紅宝石のアイスクリーム。

実は黒龍江省はアイスクリームで有名な場所。1906年にユダヤ人が始めたアイスが有名。

黒龍江省のハルピンに行ったことがある方はご存知かも知れませんが、ハルピンの繁華街にはアイスを多くの商店で扱っています。そんなアイス王国とも言うべき黒竜江省生まれの「东北大板」

今回購入したのはクリーム味とミルク味の二種類。価格は4元程度で購入が可能です。他にもチョコレート味なども販売しています。どれも美味いんですが個人的にはミルク味にLOVEです。
上海で手に入るアイス

そして三段目の豆の柄が微妙な袋のアイス。ズームしてみるとお分かりかと思いますが、緑の豆がメインの柄になっているアイス。「绿豆棒冰 (lǜ dòu bàng bīng)緑豆アイスキャンディ」
緑豆アイス

白目が多めの民族楽器を奏でて踊る謎のキャラクター。緑豆スープでご紹介した通り、中国で緑豆は夏の定番食品。スープだけでなくアイスでも食べて涼んちゃえ!、という事です。味は日本のあずきバーの親戚のような感じです。

ちなみに「光明牌(guāng míng pái)」とは、上海のブランド「光明」の事、この光明だけでなく、他のメーカーからも緑豆アイスバーは販売。

メーカーでかなり味付けが違うので、自分好みの緑豆バーを探すのも楽しいかも知れません。

今回は中国の夏グルメをご紹介してみました。上海地区を中心に撮影をしていますので、中国の華北、華南で多少の違いがあるかと思います。

特に華南地区は夏の暑さ対策として、街中に凉茶のスタンドがあったりと、夏バテ対策は更に余念が無いように感じます。

皆さんも冷たいものはほどほどに。夏バテにならないように注意しましょうね。