前回「」の中国での使われ方を紹介したのですが、
この記事を読まれ疑問に思われたようなのですが「どうも自分の「de」の発音が違う」
とメルマガ会員さんから連絡がありました。

ご本人の音を聞いていないので本当に違うのか、何が違うのか分からない点がありますが、
「的(de) 」の音が違うという事は母音の「e」が違う可能性があります。
また「e」の母音が違うと「ke」や「he」等の発音も違う可能性があります。
関連記事「発音無料音声で気軽に覚える母音基礎。母音【母音】

文法は書籍で学習すれば自分で覚えられる部分が多いですが、
発音は自分の音を聞くことが難しく、また自分の舌や口、喉、息の出し方など、
今まで日本語には無い動きを習得する必要があり、独学ではつまずきが多い部分です。

「de」は日本語の「だ」や「た」の間くらいの音で比較的分かり難い発音なのですが
問題なのは「ke」や「he」の発音、日本語に近い音が無いのです。

日本人の場合「可以(kěyǐ)」や「喝酒(hē jiǔ)」の発音が、
「かーいー/くーいー」や「はーじゅう/ふーじゅう」になっている可能性が十分に高いです。
アナタの発音も「かーいー」や「はーじゅうー」に、なっていませんか?

語学学校時代に多くの生徒さんと交流をした経験が元になりますが、
中国語の勉強を年齢を重ねてから始められた方は当てはまりやすい点です。

他の語学学習経験がなく、40歳を越えてから学習を開始した場合は、
合致する可能性が非常に高いように思います。

その一つの理由として「モスキート音」に代表されるように、
年代によって聞こえる音の幅が狭くなっていくので、
音が拾えない→音が拾えないから自分で再現できない→再現できないので微調整が難しい
という流れになっているようです。
関連記事「聞き取れない!中国語発音の再現は年齢が関係?

既に他の外国語を習得していると日本語と違う音の出し方を知っているので、
その音の出し方と比較しながら調整が出来たりすると思っています。

①「e」に関して言うと、喉の奥から「エ”」と絞り出すように音を出す。
急に下腹部にパンチを受けてしま「ヴ」と出すような感じの音の絞り出し方です。
②そして唇は横に開いた状態。
口を閉じてニコッと笑顔を作った時に閉じた唇を少し開ける感じ。

① と②の組合せですが、一緒に出来ない場合は、それぞれを分けて練習しましょう。
後で二つを組み合わせれば大丈夫です。

また「かー」や「はー」の音は、舌の付近で音を出しているから。
「かー」や「はー」の時は舌が少し前に動き、その後喉側に動きます。
「かー」や「はー」の音を出すと、先ほど紹介した唇の動きが違うのが分かると思います。

しかし実際は「ke」や「he」の発音は、舌は前に動かずに喉側に動かします。
その理由は喉の奥から音を絞り出そうとすると、自然と舌が喉側に動くからです。

「喉側に動く」という表現が分かり難い場合は、
「舌にグッと力が入って縮こまっている」でもいいかも知れません。

下腹部を殴られて声が出た状態を想像すると、
自然と舌に力が入って縮こまっている感じになります。
そうそう人に殴られる事なんてない!と言わないで下さいね。

「かー」や「はー」の発音は、舌自身に力は入っていませんし、普段の発音時と同じ形状です。
しかし「ke」「he」「de」など「e」の発音の際は、舌は喉の奥に動くように意識した方が、
より正しい発音に近づくと思います。

日本語に近い音が無いため、置き換えて表現が難しい点はありますが、
「舌の動き」、「喉の力の入れ具合い」、「唇の形」に少し注意を払うと、
良い発音に近づけると思います。

「e」の音は以下の記事から聞く事ができます。
関連記事「発音無料音声で気軽に覚える母音基礎。母音【母音】