影響力がありますからね。その分、伝わり方が半端ないです。

私も実は気になっていた日本のCMがあったのですが、最近「ハオツー!いい加減に直してホントの発音。美味しい【好吃】」の記事を見られた方から同様のお便りがあったので似たようなネタを。

気になるCMとは「Cook Do香味ペースト」CMの青菜炒め編で母親役らしい女性と息子役らしい男性アイドルが、「炒青菜」と発音するのですが、そこでカタカナ表記発音「チャオチンチャイ」が表示。

ただし実際にCMを見てみると「ツァオチンツァイ」に聞こえてしまう発音。メイキング編で中国人男性のレクチャーも「ツァオチンツァイ」の音と共に、字幕に「発音のチェック」の文字が。

CM本編の女性の発音とメイキングの男性とも、どうやら南方の発音。女性の方は「炒」が四声になっている感じもします。

ちなみに普通語のピンインと音は「炒青菜chǎo qīng cài」

そしてCMの後半では「天津飯」のカタカナ表記発音「テンツィンハン」の文字が。実施の普通語のピンインと音は「天津饭Tiān jīn fàn」

中国には「滑蛋(huá dàn)」という卵あんかけ風な料理はあるものの、「天津飯」と言う中華料理は存在しませんし、「天津饭」の発音も普通語と違うような。

普通語を少し勉強した経験がある人からすれば、ツッコミどころ満載なのですが、もしこの辺の発音がチャント正しく合っていると「やるー!」と思ってしまうのも、普通語学習者の悲しい性(泣)正しいと思った普通語学習者は、更に商品のファンになってしまいそうです。

発音のレクチャーを受けたアイドルも「何が本当の音なのか」なんて解らないでしょうし、言われるがまま、素直にそのままレクチャーを受けているはず。

発音をレクチャーしている男性も、本来は料理がメインのはずが「ついでに発音も教えて」と言われたのでしょうし、料理はプロでも発音に関しては自分が生まれて覚えた発音を普通に教えているだけ。

「炒」や「津」の発音の違いは、地方の方言が影響しているだけですが、日本人のスタッフ側は中国語(普通語)の音にそんな違いがあるなんて知らないでしょうし、アイドル、レクチャーする男性、日本人スタッフともに三者三様の立場があって、ちょっとした掛け違いから、こんな違いが生まれてしまったのかも知れません。正しく伝えるって、本当に大変ですよね。

日本からすれば、普通語の音の訛りや地域性に関係する音の違いなんて、解らないでしょうし、中華料理の雰囲気さえライトな感じで出ればいいのでしょうが、アイドルの彼の発音をしている表情を見ていると、始めて学習したての頃って、あんな感じで「たどたどしく音出しをしていたな」と調味料の便利さと美味さよりも、留学時代の懐かしさが込み上げてしまうCMなのでした。

今日の振り返り!中国語発音

炒青菜 (chǎo qīng cài) チンゲンサイの炒め物

天津饭 (Tiān jīn fàn) 天津飯